恋愛 愛着障害

愛着障害の女性の恋愛に多い特徴

今日は、愛着障害を持つ人の恋愛の中でも、特に女性に焦点を当てたお話をしようと思います。

こんな方におすすめ

  • 恋愛したいけどなぜか一歩踏み出せない
  • 彼氏はすぐにできるのに長続きしない
  • 不毛と分かっていてもセフレや不倫の関係ばかり
  • 彼女が愛着障害かもしれない
  • 愛着障害の彼女のことを理解して付き合いたい

愛着障害とは

愛着障害とは、一般的には
”幼少期に母親から十分な愛情を受けることができなかったことで愛着形成はがうまくいかず、そのせいでその後の人生に様々な問題が生じてしまうこと”
をいいます。

ただし、厳密には愛着に影響を及ぼす人は母親だけではなく、父親や身近な人も該当します。つまり「特定の人との深いつながり(絆)」ということです。さらに、最近では幼少期だけでなく大人になるまでのすべての段階で愛着形成のチャンスがある、と考えるのが主流となりつつあります。

しかしながら今回はこの愛着障害の背景についてはあまりお話をしません。愛着障害の原因や背景は変えられない過去のことだからです。

大切なのは「愛着障害は克服できる」ということ。

愛着障害の人が陥りやすい恋愛のパターンを知ることで、
知らず知らずに繰り返していた恋愛の失敗を止めるにはどうしたらいいのか、
愛着障害を抱えながらも幸せな恋愛をするためにはどうしたらいいのか、

そういった悩みを解決するための参考となるお話をできればと思っています。

愛着障害には3つのパターンがある

愛着障害は大きく3つのパターンに分けられます。

不安型

不安型の人は特に対人関係についての不安が大きく、

人に嫌われたくない
「ノー」が言えない
相手の顔色を伺う

といった特徴があります。

人に嫌われたくない、という気持ちから、人に好かれていることを感じて安心したい、という欲求が生まれることで恋愛体質になる人も少なくありません。

ただし、恋愛をすることでその不安が簡単に解消されるかというとこれはまた違っていて、恋愛関係になると今度は

「見捨てられたくない」
「もう私のことは好きじゃないかもしれない」
「どうして連絡がすぐ返ってこないの?」

といった不安にさいなまれがちです。

回避型

回避型の人は、他人と深い関係になることを極力避けようとします。人との心のつながりがあまりなく、周りからは淡白な人と見られていることも少なくありません。

責任のある立場になりたがらない
表立って主張することが苦手
消極的
1人が好き
3次元(現実)の異性より2次元・2・5次元の(アニメやアイドルなど)を愛している

といった特徴があります。

恐れ・回避型

恐れ・回避型の人は愛着障害の中でも特に複雑な特徴を持っていると言われています。

というのも、不安型と回避型の両方の特徴を併せ持っているからです。

他人と関わりたくないと思っているのに同時に孤独は嫌だと感じている
信じているのに疑ってしまう
好きなのに憎い

といった矛盾を抱えています。そのため行動にも一貫性がなく、自分も相手も混乱して傷つくことが多々起こります。

愛着障害 不安型の女性の恋愛特徴

不安型の愛着障害を抱える女性は、何度も言うようにとにかく根本に他人に対する不安感があります。

そのため、不安をコントロールできずに相手や自分を傷つけてしまったり、不安を解消しようと不適切な行動に走ることもあります。

そんな不安型の女性の恋愛では、以下のような特徴が出てきます。

嫉妬深い

不安型の人はいつも相手に見捨てられる不安感を抱いています。

そのため、相手が自分から離れていくことをとても恐れ、その可能性を少しでもなくそうとパートナーの身辺(女性関係など)に過敏になります。

学校や職場など、自分の知らない場所でパートナーが他の女性に「狙われていないか」を不安に思い、浮気などを疑うことも。

また、ただの異性の友人だったとしても親しく話しているのを見ると嫉妬して機嫌が悪くなったり、泣いて「もうあの人と話さないで」と訴えてくることもあります。

好意を過度に確認する(試す)

「付き合い始めたときは私のこと好きだったかもしれないけど、もう私への気持ちは冷めてしまったかもしれない」

「こんなに面倒くさいことばかりいってる私を、今度こそ嫌いになったかもしれない」

これは、不安型の女性がよく口にする悩みです。

自分への好意がまだあるのか不安でたまらないため、自分のことを本当に好きかを何度も確認しようとします。そのこと自体が相手に嫌がられているとわかっていたとしても、不安を解消するためにやらずにはいられないのです。

今すぐ来てほしい
仕事に行かずに一緒にいてほしい
スマホを見せてほしい
GPSアプリをいれてほしい
逐一連絡してほしい

このような「本当に私のことが好きなら○○して」という要求がよく見られます。

返信が来ないと不安でたまらない

電話でもLINEでも、相手からの返信が来ないとその間不安でたまらなくなるのも不安型の人の特徴です。

特にLINEで既読がついているのに一向に返事か来ないという状況では、そのことが気になって他のことが手につかないということもあります。

返信がこのまま来ないのではないか=見捨てられたのではないか
なにか(事故など)があったのではないか
返事をするのが面倒くさいと思われている(嫌われた)のではないか

といった不安が頭の中をぐるぐる回って不安がどんどん大きくなってしまいます。

一度怒ると止まらなくなる

例えば一緒に住んでいるカップルでこんなことがあったとします。

朝起きてから、着替えたパジャマは洗濯機に入れるというルールなのに、寝坊して慌てていたパートナーはついベッドの上にパジャマを脱ぎ捨てたまま出勤してしまった。
帰宅すると、彼女はカンカンに怒って、
「パジャマは洗濯機に入れておいてって、前から言ってるよね!?」と。
パートナーは、
「ごめん、今日はたまたま急いでて。明日からはちゃんとする」と答えた。

多くの場合は、ここで終わるお話です。しかし、不安型の人は不安などのネガティブな感情からの回復が難しいため、怒りの収め方が分からず、過去に怒った似たようなシチュエーションが次々あふれて収拾がつかなくなります。なので、このように続いてしまいます。

「ごめんっていうけど、一緒に暮らし始めたときもそういって何度もパジャマ置きっぱなしにしてたよね!なんで私がいつもいつもあなたのパジャマのことまで気にけないといけないの!私はあなたのお母さんじゃないのに!ごめんって口だけの反省なんていらない!!もういい!別れる!!」

そう過去のことまで引っ張り出され、謝罪の言葉も突っぱねられてしまうと、パートナーもどう答えていいか分からず閉口。そしてその態度が彼女にとっては「ちゃんと私と向き合ってくれない!」と感じられて余計にヒートアップ、ということも。

相手に尽くす

嫌われたくない、見捨てられたくない、といった気持ちから、相手の役に立とうと過度に相手に尽くすことも、不安型の人によっては良くあることです。

「気が利く」、「一緒にいて(何もしなくていいから)楽」、というパートナーにとって都合のいい女性に思われてしまうこともあります。

ところが、この尽くすという行動はただ単にパートナーにとって都合がいいという話だけでは終わらないのです。

というのも、不安型の人の「尽くす」という行為は、本人の自覚の有無にかかわらず、尽くした分に相応する見返りを求める行為だからです。

「○○してあげる(だから愛して)」
「連絡こまめにするね(だからあなたもそうしてね)」
「あなたの喜ぶことなら何でもします(だから私をみてください)」

という想いが隠れています。

結果として求めている見返りが得られないと、「こんなに尽くしているのに報われない」という苦しみに繋がったり、相手から「重い」と思われてしまい、破局を迎えることもあります。


不安型の女性の言動は、場合によっては「メンヘラ」と呼ばれ面倒くさい女性の代表のように言われてしまうこともあり、恋愛で傷つき体験を重ねることによってより不安型の特徴を強くもってしまう、という悪循環に陥ることも珍しくありません。

愛着障害 回避型の女性の恋愛特徴

人間関係に消極的な回避型の女性は、恋愛においても深い心のつながりを築くのが難しい傾向にあります。

本音を言わない

相手と分かり合いたい、という気持ちが希薄なため、わざわざ本音を言って相手と衝突するという「面倒くさい」状況を嫌がります。

何か問題が生じた際にもパートナーの主張をそのまま「じゃあそれでいいんじゃない?」と自分の意見を言わずに解決しようとする傾向があります。

そうするとパートナーからすると肩透かしを食らったようになり、どこか消化不良でその話を終えなくてはいけなくなります。

体だけ・その場限りの関係を持ちがち

長いお付き合いをむしろ「面倒くさいことが多い」と感じるため、とりあえず性欲だけ解消できる気軽な相手の方がいい、と考えることも多いです。

不必要に自分のプライベートに踏み込んでこず、その場の楽しい雰囲気だけを共有できる相手を求めます。

お付き合いや結婚、出産・子育てを負担に感じる

上記とも重なりますが、責任や面倒くさいことを極力避けたいため、特に結婚に対してネガティブなイメージを持つことが多くみられます。

「結婚して幸せそうな人は見たことがない」
「結婚したら自分の時間が無くなる。家族のために自分を犠牲にしないといけなくなる」
「結婚や出産はお金もかかるしリスクもある、良いことない」

と考える傾向があり、出産・子育てについてはその話題を振られると、自分がその立場にならないように、わざわざネット上のネガティブな情報を引き合いに出してまで否定・拒否しようとすることもあります。

現実の異性よりアニメやアイドルを愛する

自分の内面に踏み込んでくる「危険」がなく、自分が見たい好きな部分だけを見ることができるアニメやアイドルといった偶像(2次元・2.5次元とも)を好む傾向があります。

一方的に自分が好きになりたい分だけ好きになることができ、相手へのイメージもある程度自由になるからです。

回避型の人にとっては心のつながりはさほど重要ではないため、相手が気持ちを通わせられない対象であることはあまり問題になりません。


深い心のつながりを求めない、場合によっては避けているように見える特徴のために、親密になりたいと思っているパートナーからは「何考えているか分からない」と思われてしまうことも。

恋愛が長続きしないことも多く、さらに本人もそのことを特に気にしていないのも回避型の女性の特徴といえます。

愛着障害 恐れ・回避型の女性の恋愛特徴

不安型の特徴と回避型の特徴を併せ持つこのタイプの女性は、自覚の有無に関係なく行動に矛盾が生じることがよくあります。

その結果相手を振り回してしまったり、自分自身が傷つくこともめずらしくありません。

関わり方に一貫性がない(不安定)

親密になりたいという気持ちと、自分の内面に踏み込んでこないでほしい、という気持ちが心の中に同居している状態のため、どちらが表面に出てくるかによって態度が変わります。

例えば、気持ちが落ち込んでいるときにパートナーから声をかけてもらえなかったとします。すると、その時には

「こんなに私が辛そうにしているのに声をかけてくれないなんて酷い!私のことなんどでもいいんだ!」
と相手を責めるとします。

そしてまた別の日。気持ちが落ち込んでいることにパートナーが気づいて声をかけてきたら、今度は

「こういう時は放っておいてよ!一人になりたいの」
と前回とは反対の態度で相手を責めてしまう。

これではパートナーはどう対応するのが正解なのか困ってしまいます

そういったことが起こりやすいのが、この恐れ・回避型の特徴です。

親密さが増すタイミングで攻撃的になる

まだ付き合う前には良好な関係を築けていたのに、いざ交際を始めると急に些細なことで喧嘩をするようになる、ということもあります。

また、同棲を始めた、結婚を視野に入れ始めた、というような親密さが増すタイミングも注意が必要です。

これは、はじめは「好かれたい」「嫌われたくない」という不安型の特徴が前に出ていたのでパートナーを拒否することはなかったのに、親密さが増すタイミングで「これ以上踏み込まれたくない」「一人になりたい」という回避型の特徴が出てきた、という場合に生じるものです。

急に甘えたかと思えば急にそっけなくなる

不安型の特徴と回避型の特徴が行ったり来たりしているときには、【親密になりたくて甘える】と【関わりたくない】が本人もパートナーも驚くくらい短期間に入れ替わることもあります。

関わりたくない、一人になりたいという気持ちから別れを切り出したものの、いざ別れるとなると今度は「捨てられたくない」という不安から今度は急に寄りを戻そうとするなど、お互い関係に疲れてしまうこともよくあります。


恐れ・回避型の人は自分も相手も恋愛で振り回してしまい、何度も同じパターンの破局を経験することで恋愛に疲れてしまったり、恋愛にネガティブなイメージを抱えてしまうことが多くあります。

愛着障害の女性が安定した恋愛をするために パートナーに望むこと

これまでお話したように、愛着障害はパターンによって特徴が違うものの、どのタイプでも恋愛がうまくいかずに辛い思いをすることや、自分自身で自分を追い詰めてしまうことがよくあります。

自分自身や大切なパートナーのためにも愛着障害そのものを克服することはとても大切です。

愛着障害克服についてはまた別の記事でお話しているのでそちらをご覧ください。

愛着障害
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そしてこの記事では、愛着障害を抱えてた女性が安定した健全な恋愛をするために、パートナーに知っていてほしい(そしてパートナーを選ぶ際にも)ポイントをご紹介します。

感情に振り回されない

愛着障害を抱える人は相手の感情に敏感です。

パートナーが気分屋だったり、自分の気持ちをコントロールできない人だと、お互いに感情的になって自体が泥沼化する可能性があります。

カッとなったときにその感情に振り回されずに一旦冷静になることができる人
基本的に精神が落ち着いている人
穏やかな人
「人は人、自分は自分」と自他の境界がしっかりしている人

であることが大切です。

一貫した態度をとる

愛着障害を持つ女性が恋愛をすると、自分でもコントロールできないレベルで矛盾した言動をとってしまったり、相手を試す様な行動をとったりと、パートナーを振り回すことが多々あります。

しかし、そんな時にパートナーが言いなりになっては収拾がつかなくなってしまいます。

彼女がいかに矛盾した言動をとったとしても、パートナーの方は

「このラインまではOKだけどそれ以上はダメ」
「こう言う場合には私はこういった態度で臨みます」

という一貫して明確な基準をもって接してください。

彼女の「安全基地」になる

これは特に愛着障害克服にも繋がるのですが、愛着障害を抱えている人は、子どものころに【主に母親的な養育者】がなってくれるはずだった「安全基地」が十分に機能しないままに大人になってしまっています。

そこで、パートナー自身が「安全基地」になることで、少しずつ他人や環境、ひいては世の中に対する安心や信頼の気持ちを獲得していくことができます

穏やかな姿勢で彼女を包み込むような母親をイメージして接する、ということです。

言葉にすると簡単ですが、現実なかなか難しい部分もあると思います。

それでも彼女を恋愛関係を続けたい、彼女を大切にしたいという気持ちがあるのなら、一人で頑張らずに心の専門家に相談しながら接し方を学んでいくことも手段の一つとして考えてみてください。

まとめ

さて、今回は愛着障害を抱える女性の恋愛でよくみられる特徴をご説明しました。

愛着障害は何歳からでも治せます。

これからの人生で、自分も大切な人も傷つかない、温かな恋愛をするためには、愛着障害であることやその恋愛の特徴を知ることはとても大切です。

恋愛は人との深いかかわりから生まれるものです。だからこそ、幸せな恋愛は人生そのものの幸せにつながります。

愛着障害を抱える方と、そのパートナーが幸せになれるよう、この記事がお役に立てば幸いです。

また、愛着障害のことや克服法などをより詳しく知りたいという方にぜひとも読んでいただきたい本があります。

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参考にどうぞ。

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